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「ARUTOYU_MA」
第一章 白き乙女

02 友達、多そうだったな……

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 一秒くらいしか目を合わせていないのに、いつまでも印象強く残っている瞳。心に焼きついて離れなかった。
 今日も学校に来ては見たけれど、何も変わらない。
 バスケに参加してみたけれど、パスが一回も回ってくるわけでもないし、誰かとうまく言葉を買わせることだってできない。
 普通にそこに存在していないかのように、腫れ物扱いされるかのようにして振舞われるだけ。

 何も変わることなんかないって、わかっているのに、どうしてこんな無意味なことを続けているのだろう?
 世間体のため? あの家にいたくないから? ただの、ちっぽけな自尊心?
 それとも……、心のどこかで、いつか変われるんじゃないかって、思いたいから?
 そうやってズルズルとひきずっているから、あの瞳に強く惹かれたんだと思う。きっと、そうだ。そうに決まってる。

 どうせ、僕は誰にも気づかれないまま、ここにいることですら気づかれないまま、ひっそりと生きていくしかないんだ。死ぬ勇気ですら、ないから。
 きっと、あの人だって覚えてはいない。たった一瞬のできごとだったから、覚えられているはずがない。
 小さな、幼い頃の記憶と同じで、きっとすぐに思い出せなくなって、消えてなくなってしまうんだ。
 だってあの人は、僕と違って人の中心にいるような人だから。誰も惹きつけてやまないような魅力と光に溢れている。
 だからこそ、思うんだ。

「友達、多そうだったな……」

 身の程知らずなことを考えているってわかっているけれど、こぼれた言葉は思った以上にぎゅうぎゅうと心を締め付けてくる。胸が痛い。
 こんなすきま風が入ってくる校舎の隅にいる僕なんかを、見つける人は誰もいないけれど。それでも、羨ましかったんだ。それがどれだけ浅ましい夢を見ているのかは、嫌でも一人だということと一緒に感じさせられるけれど。

 だめだ、これ以上考えるのはやめよう。
 これ以上考えても惨めになるだけ。もっと苦しむのは、僕なんだから。
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