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「BLUE_LIGHT」
Episode.0 不思議の国のアリス

39 交差する思惑

 ←38 不思議な世界に偽者アリス 

 公爵夫人が【不思議の国】号の偽者アリスと認めた。

 公爵夫人の島から飛ばされた伝令は、【神子の玩具】を求める海賊船にすぐさま伝わった。
 海賊船のみならず各統治者が治める国へも。


「アリスと言っても、あの娘は所詮偽者。本物のアリスではない」


 【地下の国】号の船長はそう否定した。


「【娘】がまた一人認められたらしいじゃないか。面倒だねぇ」


 妖艶な色気を放つ女船長はそう呟いた。


「【主人公】はこれ以上必要ないよね」


 片割れをなくした孤独の少年は、その大降りの鎌を握り締めた。


「アリスはあたしだけで十分だわ!」


 甲高い声を張り上げて、我が儘な少女は叫びだした。


「【神子の玩具】を狙う不届き者が増えるとは、困ったものだ」


 若き国の統治者は、不適に微笑んで海を眺めた。


「偽者には興味がある。わらわが捕まえて、飼い殺してやろう」


 美しき女王は、偽者を捕らえておくために籠を用意させた。

 公爵夫人が彼女を何であろうと“認めた”と言う事実は、少なからず【神子の玩具】に関与するもの全てに影響を与えた。
 良くも悪くも、それが彼女にどんな脅威となり幸運となるかは分からないけれど。


「……わたくしが認めて差し上げたのだから、全力で守りなさい」


 公爵夫人はその琥珀色の瞳を据わらせて、小さくなっていく【不思議の国】号を見つめていた。

 たとえ偽者と言っても“アリス”なのだ。
 アリスは不思議の国を歩き回らなければいけない。
 何が待ち受けていようとも、何があったとしても、その持ち前の好奇心と機転を働かせて切り抜けなければならない。


「偽者の貴方にとっては、この世界は不思議の国と同じでしょう?」


 何も知らないで先へと進む少女。
 不思議な出来事に目を白黒させる少女。
 家への帰り方が分からない少女。

 違うのは、彼女が偽者だということ。


「せいぜい頑張りなさい」


 この理不尽な不思議な世界で。





「【不思議の国】号の、偽者アリス」





(わたしの物語は)
(不思議な世界で始まった)
(偽者アリスでいいのなら)
(わたしは物語を)
(進めなくちゃいけない)
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