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「零れ話」
開拓者Online

うちの子可愛い

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 うちの子は、可愛い。

 どれくらい可愛いかって言えば、目に入れても痛くないっていう比喩表現なんかじゃ物足りないくらいに可愛い。末期の親馬鹿なんだ、分かってる。
 もう、存在するだけで可愛い。纏っている空気ですらかわいい。しにそう、可愛くてしにそう。死因:うちの子が可愛すぎて。
 俺の語彙力が残念なことになっているから、うちの子の可愛さを表現するのに可愛い以上の言葉が出てこないのが、最近のもっぱらの悩みである。はー、うちの子超かわいい。
 プレイヤーのアバターカスタマイズに沿ってなら、簡単にうちの子の外見は言える。むしろ、俺の可愛いフィルター通り抜けると言葉がどっかに旅立ってしまうから、いっそそっちの方が的確にうちのこの可愛さを表現できるのではないか、と最近思ってしまったほどだ。コミュ障だからしょうがないよね!

 さて、うちの子の見た目についてだが。
 いや、その前にあれだな。うちの子は二人いる。
 この開拓者onlineの中では激レアなことらしいが、一人しか出てこないだろう初回ガチャで、二人一緒に出たんだ。画面の前で思わず拳を高々と掲げて「いよっしゃっ!」と叫んだ俺は悪くないと思うね。
 物語としてのテンプレの一種がまさか、開拓者onlineで俺の身に実現されるだなんて思わなかったけどな! うっかり、運営やるじゃねぇかと評価5を付けたくらいにはテンションあがったよ。ありがたや。
 もうここまで書いてりゃ、ラノベ読み慣れている奴らならテンプレ察せられるだろう。

 うちの子、双子の姉妹だよ、ひゃほー!!

 お姉ちゃんのアイゼル。もちろん、キャラ名は最初からついていたから、俺の残念なセンスの名前じゃない。もう名前からして可愛い。おまわりさん俺です。
 推定年齢十歳位。金髪碧眼。垂れ目気味なお目々の、緩やかなツインテールである。本人曰く、「高いところで結ぶのは苦手なの」らしい。はああああ不器用可愛すぎか!
 種族は森の民(エルフ)。はいはいテンプレありがとうございます美味しいです。真っ白な肌につるぺt……あ、今は幼女ちゃんだからこれ以上は触れないでおく。おまわりさん俺ですが、未だロリコンじゃないと信じてます!
 職業は精霊使い。魔術師から滅茶苦茶頑張って育てました! ていうか、森の民ならこの一択しかないと思って(完全なる偏見)さり気なくそうなるように誘導しました。精霊さんと戯れるうちの子超かわいい。さりげなくデスクトップの壁紙にしているけれど俺はロリコンじゃありません親馬鹿です、キリッ。
 性格はほんわか癒し系です。怒ったりしません、お嫁にはやりません! 断固として! 天然なの? かと思えばちゃんとお姉ちゃんしているので、根はしっかりしているようです。見た目も性格も天使だと思うんだけど、反対意見ある? ある人は眼球くりぬいて洗浄してください、それは異常です。

 んで。
 妹ちゃんはチイゼル。ちいちゃんって言うとめっちゃくちゃ怒られるけど、お姉ちゃんから呼ばれるのは許しているってこれなんの差別だろうか。ギャルゲっぽく「アンタになら、そう呼ばれても、いい……けど?」とか言われるの待ちってことでいいでしょうか!? 好感度上げ頑張ります!
 双子だから年齢は同じくらいだと思う。ちょっと釣り目気味だけど大きなお目々の、ピョンはね一つ結びである。ピョンはねである。ちょんっとしか結べていないのである。短いのに無理やり結んでいるのなんなの? 狙ってるの? 二人で結び合いっこしている姿を遠目から見て悶えた俺は悪くないと思います。
 職業は弓使い。プレイヤーならPS必須の鬼門職と言われているこの職業だけど、ほら、森の民(エルフ)だから。手先の器用さと敏捷さはこの開拓者onlineでも共通している部分だったのか、意図的に誤射する以外の命中度は滅茶苦茶高い。でも、意図的に誤射するのはやめようね。「手が滑ったわ」なんて棒読みで言われても、後ろから射られるのゲームでも怖いんだからね!
 性格はツンデレ。はいはい、テンプレ乙。

 何はともあれ、うちの子がかわいいのは伝わっただろうか。
 俺の変態度の高さがよく伝わった……? へ、変態でも紳士だから! 親馬鹿の範疇に納まってるはずだから! たぶん!!

 あ、俺。俺はあれです。
 職業剣士になってました。おかしいな、当初の予定だと戦士になって狂戦士(バーサーカー)プレイすんぜヒャハー! にする予定だったんだが。いつの間にか大楯構えてたよ。仕方ないね、うちの子守るためだから。傷の一つも敵の一人も通せないからね、可愛いうちの子が目の前で汚れるとか、興奮はするけどちょっと耐えられない! 俺喜んで肉盾になるよ!
 開拓担当区域は、独裁君主制(ネフェーリア)第三十六地区伍番。女王様のお姿拝見したら、もう気付けば僕(しもべ)になってたよね、おかしいなぁ本能かなぁ!
 まあ、基本的に第三十六地区内から出ないから、引きこもりすぎて生産職クエストが発生しないんだけどね! それはそれでありかなって、ほら、うちの子可愛すぎて誘拐されたり盗撮されたら困るし!
 うちの子を中心として動いているもんだから、開拓の方も傾きすぎている自覚はある。ていうか、ジオラマ仕立てに開拓してしまったなぁってのもものすごく、分かってる。うちの子の背景にはどうしてもこだわりたかったんだよ! いつでも一枚の絵にしていたかったんだよ、このいつ見ても幸福感な満ち溢れた気持ち伝われ!
 花畑エリアが中心で、こだわり抜いた森に溶け込んだ別荘地に力を入れたよ。完全にどっかの避暑地だよね! 軽井沢とか行ったことないけど!
 でも、花畑で生活するうちの子。まじ可愛いです。







「ねえ、アイゼル。あいつ、またニヤけた顔でコッチ見てる」
「チイちゃん、露骨にそんな顔しちゃだめよ? 実害はないんだから、そっと見ないふりよ?」

 さも嫌そうに顔をしかめたチイゼルだが、アイゼルがやんわりと微笑みながら窘めると、小さく唇を尖らせるのみにとどめていた。

「あーあ、せめていい加減に、あいつの頭と同じようなお花畑から外に出られたらいいのに」
「許可が出ないものねぇ、ここはここで気に入っているのだけど」
「まあ、故郷と同じ感じ、だもんね」

 まやかしじゃなくて、本物の。
 それだけが唯一の救いとでも言うかのように、二人はそっと辺りへと視線を向けた。ざあ、と爽やかな風が駆け抜けると、ふわりと漂っていた鼻の濃厚な香りが霧散してゆく。さわさわと葉が揺れる音が心地よく、小さく目元をやわらげた。

「大丈夫よ、チイちゃん」
「アイゼル?」

 アイゼルは、ふわりと笑った。

「外に出ない弊害はどこかしらで出てくるもの、ずっとじゃない。……それに、あのころに比べたら、ずっとずっと、恵まれている」
「……それは」
「不自由な自由だと、笑うかしら?」
「別に」

 眉を下げたチイゼルは、小さく呟いた。

「別に。ただ、あいつの視線が気持ち悪いだけ」
「そうねぇ、そればっかりは無視するしかないでしょうけど」

 くすりと笑ったアイゼルに促され、チイゼルはゆっくりと立ち上がった。アイゼルの周りで、くすくすと何かが笑う。
 小さな指先で何かを撫でるかのように宙をかいていたアイゼルの目が、僅かに細められる。

「でも、あの|坊や(・・)、悪い子じゃないのは分かるでしょう?」
「まあ、ね。……おい、変態!」
「うぇはぃっ!?」

 きつい口調になるように心掛けて彼に向かって叫ぶと、彼は大袈裟に驚いてわたわたと大楯を担ぎなおした。

「リンドウの館の方角から敵五体接近中!」
「えっ、嘘。またかよ! この前狩ったばっかなのに!」
「グダグダ言わない! ほら、先になって行きなさいよ!」
「よ、喜んでー!」

 やっぱりキモイ。
 そう呟いたチイゼルに苦笑しながらも、ばたばたと駆けて行く彼の後を追いかける。
 案外二人とも気に入っているこの場所を守るために。


 これは、後に『幼女を守る変態紳士』とうわさされる彼の話。
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